論文を作成する際などに、やってはいけないこととして「コピペ」(コピー&ペースト)という言葉には、すっかり悪い印象がついてしまいました。
しかし、裏を返せば、何年も何十年もかかった成し遂げられた成果を、”コピペ”することによって、初心者が簡単にできてしまうようになった、と言うこともできます。すなわち、”コピペ”できる素材を増やしていくことが、標準化の推進につながると考えられます。しかし、それでは、ますます”画一化”と同じになってしまわないかという心配がありますね。
コピペが画一化ではなく、標準化に役立つためには、2つの考え方が重要となります。
まず一つ目として、コピペしているものが「パーツ」や「ツール」であるということを明確に理解しておくことです。
例えば、プロトコールのテンプレートを標準化した場合、テンプレートを埋めることが目的になってしまうと、それは画一化の始まりです。
プロトコールを作成するということは、検証したい仮説は何か、その仮説を検証するために、どんな対象に、どんな方法で、何と比較するのか、、、といった研究の目的や”ストーリー”を明文化することです。
つまり、プロトコールのテンプレートは、伝えたい”ストーリー”が、読み手にとって、読みやすく、伝わりやすく、そして、書き手にとって、効率よく作成するための「ツール」なのです。
当然のことながら、いくらテンプレートに則っていても、”ストーリー”がつまらなければ、全く魅力の無いプロトコールとなってしまうのです。
繰り返しになりますが、標準化とは、目的を効率よく達成し、かつ刑事的に品質を向上させるための「ツール」なのです。(次回に続く)